「どんな仕事をしているのですか?」に対する返答について考えたこと

話の前の余談

文体が安定しないのはしっくりくる書き方を模索中だからです。

テーマ

新たに新人が部署に来た。相手をする中で「普段どんな仕事をしているのですか?」と聞かれた。 その質問に対して、私の返答とその反省について述べる。

背景

社会人として就職後、「どんな仕事をしているのですか?」と聞かれる機会は増えた。
それに対して私は比較的曖昧な答えを返していた(ex.まーなんか適当に楽しく過ごしてるよ)。その原因としては、仕事に対する強烈な目的意識や使命感を持っていなかったため、語りたいことが特に無かったためである。
質問した側もただの雑談の一つであるため、その曖昧さへの踏み込みは無かった。

しかし、今回は状況が異なる。質問をした彼は自分の行く末についての質問であり、そこに対する私の答えは何らかの反応を与えてしまう。
今までののらりくらりとした反応は真摯ではないと思ったため、真面目に考えてみた。

シンプルな説明

私はSEである、そのため現状を踏まえてシンプルに説明しようとすると、「他部署の依頼でシステム作っているよ」ということになる。 しかし、この答えを聞いて、人は納得するだろうか、私だったらしない、聞くだけ無駄だったなと空虚な気持ちになる。

そこで、どう答えることが適切かを考えることになる。

物事を説明する方法

今回の問題を考える前に、まず物事を説明する方法についての考えを述べる。 物事の説明をする上で必要なのは、聞き手が聞いたことで意味があったという感覚を与えることが重要である。言い換えると「なるほど」という感覚を与えることが重要だと思っている。 それを実現するには、それが何であるかを説明するだけでは片手落ちで、それがどのような役割を果たしているのかということを添えるのが良いと考えている。 以下に例を述べる。回答として、何であるかだけではなく役割を添えることで分かりやすくなったという例示のつもりである。

Q) Amazonとは何ですか?

A) 「オンライン上のショッピングサイトだよ①」 「それにより、実際の店舗に行かずに買い物をすることが可能になるんだよ②」

①だけだと「ふーん・・・?」という感じだが、②が添えられると「なるほど」感が少し増すと思っている。

仕事の話

説明をするには、「役割・意義の説明」を付加することが大事であることが分かった。 そして、このルールが、仕事の説明を難しくする原因である。 役割・意義の説明とは「つまりあなたは何故その仕事をするのですか?」ということを説明することになるからである。

先に述べたように、私には大きな目的意識や情熱は持ち合わせていないので、その点については空虚である。つまり自分の内からこの役割や意義を見出すことは難しい。 では、役割や意義を自分の外から用意しよう。そのためには自分の所属する組織のミッションを利用する。 私の所属する組織のミッションは「社内標準プラットフォームの案件適応支援」である。

何とか自分の仕事の役割と意義を見出せた。しかし、ここで良かったねとはならない。役割・意義と自分の仕事が全く関係ないのだ。 私は社内標準プラットフォームを使ってもいなければ、案件の適応支援もしていない。組織のミッションとは全く関係のない仕事を日々している。 その原因は、対象となる案件が現在存在せず体が空いているので、何となく他部署では技術的に難しい内容を依頼としてこなしているに過ぎないからである。

つまり、仕事をする理由は、「特にやることがないが、働かないと体が空いてしまうので適当に仕事を割り当てられているため」に過ぎないということになる。

何だかとても虚しい答えだが、ここに対する考えを述べる。

使命と実態

仕事には、使命と実態が存在し、そこには頻繁に乖離が存在すると考える。 使命とは、上司やまたその上からトップダウン式に降りてきて依頼がされるものである。役割・意義にあたるものである。 実態とは、日々の中でボトムアップ式に発生し、運営していく中でやっていく必要があるものである。

使命と実態が一致していると、とても分かりやすく説明がしやすい。しかし、現状のように、実態は使命から外れてしまうことが往々にしてある。

最終的な返答

ここまで考えたところで、後輩にどう答えを返すか整理してみた。

このことを前提に考えると、返答としては3パターンにわけられるがこれまで説明したようにこれらはすべて片手落ちだ。

  1. 使命についてのみ述べる (ex.社内標準プラットフォームの案件適応支援とかしてるよ)
  2. 実態についてのみ述べる (ex.他部署の依頼でシステム作っているよ)
  3. 使命と実態について述べる(ex.他部署の依頼でシステム作っているよ。役割としては、社内標準プラットフォームの案件適応支援とかだよ)
  4. 使命と実態について述べ、そこには乖離が存在してしまっていると述べる(つまり、ここで記載している内容について述べる)

①②は「ふーん」という感じだし、③は「え・・・?意味分からん」となる。 そこで最終手段としての④を説明することにした。

後輩の反応

かなり微妙だった。 後輩の反応は「お、おう……(何言ってんだこいつ)」といったものだった。 つまり、「物事を説明する方法」で目的とした「なるほど」という感覚を得ることはできず、質問の答えとしては不適切だったということになる。

返答の反省

では、どこが失敗だったのだろうか。 そもそもとして、「後輩はなぜその質問をしたのか?」という視点が欠けていることに気づいた。 後輩はただ不安だったのだろうと思われる、初めての仕事・初めての部署という状況への不安だ。そこから自分の状況について理解を深めたいと、質問をしたに過ぎない。 私の仕事への考え方なんてぶっちゃけどうでもいいのだろう。

つまり私の正解は「不安だろうけど、大丈夫、サポートもするし何とかなるよ」と相手の気持ちを斟酌した上で、味方であることを表明することが大事だったのではないかと考えた。

まとめ

色々ぐるぐると考え末に盛大にすべってこけたことから、今後のコミュニケーションについて不安を覚えるのである。