【思ったこと】親子関係に距離を置くこと

自分には、親子は適切に距離をとっておくべきだという価値観がある。

こう考える根底には、「自分をコントロールできるという認識」が生きていく上でとても重要だと思っている。
親子関係はこの認識に大きな影響を与えてしまう。

自分をコントロールできるとは、自分の考え、能力、習慣を変更するための変数が数多く用意され、それらが調節可能であるという状態である。
もしこの変数が足りないと、自分が世界に翻弄されているというとても苦しい考えになってしまう。

例えば、「自分は男子校出身なので女性との会話が苦手である」という認識は、男子校出身という変更不可能なものが女性との付き合いに関して支配的になってしまい、今後もずっと女性付き合いはうまくいかないという自己認識になってしまう。
確かに思春期に異性と触れ合う機会がなかったことが影響を与えている可能性もあるが、「慣れ」といった別のパラメータによって変更可能であると考えた方が人生が行き詰まらずにとても楽だ。

このように、自分の考え、能力、習慣に対しては、固定的な考えになってしまうことを極力避けた方が良い。

そこで、何故親子関係という話が出てくるかというと、「蛙の子は蛙」といった親の影響を子が引き継ぐというのは、ほぼほぼ真実だからである。
親子関係を意識しすぎると、「親がああなので、私はこうなのだ」ということに目が行き過ぎる。そしてある程度事実である。
だが、事実ではない部分もある。努力や慣れなどで解消可能な部分もある。

親子の適切な距離とは、そういった解消可能な部分を「血縁」という強い定数によって塗りつぶされないための所作である。