樋口円香について語る
大学の友人と草津温泉までドライブしてその帰り道。
「樋口円香*1のような彼女が欲しい!」私は叫んだ。
「わかる!」
「わかるんだ」
「わかってしまった。それは危険な物語だからあんまり口にしてはいけない」
私達は群馬県のはらっぱというスープパスタ屋に入った。
「樋口円香はツンバブだと思う。今はまだ名付けがされていないが、そう思う」
「樋口円香はすごい。寝ていたら毛布をかけてくれるらしい」彼はTwitterを眺めながらそういった。
「いや、樋口円果はまず何もせずにオフィスを出る。そしてしばらく歩いてから、コンビニに入って飲み物を買い、オフィスに戻って寝ていることを確認してから毛布をかけるはず」
「わかる!わかってしまう!!わかるなぁ」
「30歳にもなって妄想SSみたいな話をしてしまって結構悲しい」
「樋口と浅倉*2の百合は違うと思う」
「何が違うの」
「樋口は完璧な存在である浅倉の世話を焼くことによって、自尊心を獲得するある種の依存である」
「それは、百合ではないの。」
「まぁ百合といえば百合だが」
「百合が定義が難しい関係性自体にあてられる概念だから、別のワードが当てられるならそっちのほうがいいみたいな?」
「そういう感じ」
「樋口は自己実現を怖がっているところがいい、共感できる」
「樋口が好きな人は樋口のツンバブ要素と同時に、自己も投射している?」
「僕はずっとそう思っている。樋口との関係性は挫折した者同士の傷のなめ合いだと思う」
「アイドルを挫折して大学生になった樋口円香について考えていきたい」
「アイドルを挫折した樋口円香はただ口が悪いだけの人では?」
「だからいい。挫折した人の方がより虚無と強く立ち向かえる」
「じゃあ、おつかれ」
「はい、またね」