哲学的ゾンビについて話していた。
外見も行動もほとんど人間だが、意識だけが存在しないそんなもの。
哲学的ゾンビを気にしない人間になりたいと思っていた。
外部から判断不可能なら、同一とみなしていいと思う。
「では、あなたの愛する人が哲学的ゾンビだったら?」
あなたがどれだけ愛しても、相手はあなたを愛していない。
少し考えて、やっぱり気にしない人間になりたいと思う。
そう答えると、彼女はふーんと言った。
「人間ってそれなりに合理的だけどさ、単純にその方が便利だから合理的判断をするんだけど、君って合理的だから合理的じゃなくて、ただの信仰だよね」
そう続けて言われた。