自信をつけるにはどうしたら良いか

「どうしたら自信がみにつくんですか」

 

そんな相談をされた。

 

「なぜ自信が必要なんですか」

 

彼はどうやら自分がエンジニアとしてリスペクトされていないように感じているらしい。私が意見をいった場合と彼が意見を言った場合で、同じ人に与える効果が異なるように感じるらしい。彼は自分の意見があまり採用されず、周囲が自分の意見をきくというよりは自分を丸め込もうと行動するように感じている。

 

そのように、意見が採用されるか否かという状況を「自信の有無」として解釈した。

結果、自分には自信がないので、自信があるように振る舞えたらこの状況が改善するのではないか、と感じたらしい。

 

その状況下で自信のように感じるとしたら、それは一つの責任感の無さに発生する。

責任感があるから自信がつくのではない、責任感がないから自信があるように見えるのだ。

 

自信のある意見とは「その状況は自分ではコントロールが不可能であるので変えることはできない」と言うことにほかならない。

自分ではどうしようもない、もしくは自分が変える役割ではないと思っているから自信があるように見えるのだ。

人は自分の上に立脚すると脆弱になるが、外部の上に立脚すると強固になる。

 

その外部をどこに取るかは戦略による。

 

技術的知識に立脚する(技術的に難しいですね)。組織としての役割に立脚する(スケジュールの変更は自分の権利じゃないので上司に相談してください)。大いなる使命に立脚する(それは良くないのでダメです)。

 

つまり、自信のある態度とは「自分自体を判断の根拠にしないことである」。

パット見矛盾したように感じる。パット見矛盾しているものはとても説明が難しいので、体で体得するしかない気がする。

 

今回も先のような話をしたがあまりピンときていなかったようだ。

 

 

言葉をちゃんと使ったほうが良いと思った。

「自信がありそうに見える」は事実だが「自信がある」は虚構だ。

この虚構に気づいている人と気づいていない人がいる。

 

今回も結局自信の問題ではなく「何を根拠にその言葉を発しているのか」という問題でしかないのだが。