世界に対する傲慢さ

昨日飯を食っていたら、後ろの席で大学生くらいの男女二人が話していた。

 

「センター何点だった?」「えー数学しか教えられない」「何点なの?」「81点。数学割と得意だからさー」

 

みたいな会話をしていた。

 

調べたら数学A1・B2は平均点が60点前後らしい。だから彼の自己認識は正しい。

ただ最初に81点は自慢に値する数値ではないのではないか、と感じた。それはセンターで8割という数字はむしろ苦手な科目に分類されるものであり、自分の周囲も同じ認識を抱えていたからだろう。

無意識に自分の座標系を他者の会話に当てはめているなぁ。

 

 

これは「大したこと無いことを誇っていて格好悪い」と揶揄したいわけではなく、自分の座標系の歪みというものを思い知らされた、というエピソードである。

どちらかというと、自分はあまり他者を軽んじるのは好きではない。

だからこそ、こういう状況に直面した時に「やる気なかったのかな」とか「もっと頑張ればいけるよね」という発想に流れがちである。

 

しかし、それは危険なマッチョイズムであろう。

自分が80kgのバーベルを挙げられなかった時に、「体調大丈夫?」と心配されても《いやいや、基準がおかしいでしょ」としかならない。

 

認知の歪みは問題を正しく捉えきれず、より大きな破綻を起こす。

80kgのバーベルを渡された私はきっと重さに耐えきれずグゥグゥとうめき声を上げながら潰れていくことしか出来ないだろう。